メルセデス・ベンツ W114にワンオフで電動パワステ製作のご依頼を頂きました。
純正の油圧パワステが故障し、何処も修理を断られ、弊社にご相談頂きました。
ハンドル径はかなり大きいのですが、鬼のような重ステで、確かにこれで乗るのはツライ物があります。
現状、油圧パワステギアBOXからノンパワギアBOXに交換されています。
タイヤハウス付近のフレームにギアBOXが直止めになる構造ですが、フレームからギアBOXの取付がモゲた模様です。
現状の施工前の状態はこのような感じになります。
早速ステアリングシャフトを降ろして分解していきます
ノーマルのシャフト・カバー・そしてコアのユニットになります。
こちらの今回使用しますコアユニットは現在バウンスで販売している、電動パワステ化キットに使用している物とは別のユニットになります。
こちらのW114、車重が1520kgで、現在キットを設定していますFDの1330kg、S15の1240kgなどと比べ、200kg近く重くなっています。
従来使用しているコアユニットでは、若干の力不足感が否めません。
そこで、現在バウンスで開発中だった新型の電動パワステ化キット用のコアユニットを今回先行投入して製作する事になりました。
ここでちょっと新型コアユニットについて説明を軽くしておきます。
詳細は、後日専用のページを作製しますので、そちらをご覧ください。
従来のコアユニットには、軽自動車用のEPSユニットを使用していましたが、新型は乗用車用のEPSユニットになります。
ユニット換えるだけなら別に簡単でしょ。と思いそうな物ですが。
バウンスを含む、電動パワステを製作されている業者様のほぼ全てが従来ユニットをコアに使用しているのにも理由はあります。
加工のし易さも1点ですが、制御が簡単な点が一番大きいです。
EPSユニット単体での制御になるので、EPSコンピューターのみで全て完結します。
コンピューターに電源投入して、IGと回転信号さえ入れてやれば普通に動きます。
今回、バウンスで新型に使用するユニットについては、制御にCAN通信が絡みます。
CAN通信と言う事は、勘の良いみなさんならお気づきでしょうが、車両の他の各ユニットからの信号もEPSの制御に必要になってきます。詳細は割愛しますが。。。。
CANなんか無視しても動くのは動きますが、常時セーフモードでしか動きません。
従来ユニットはセーフモード=アシスト停止でしたが、新型はセーフモードでも一応アシストします。
一応と言うのは、制御的に、セーフモード中は段階を追ってアシスト弱めていき、最終的にアシストが停止します。
まともにフルパワーで安定稼働させる為には、CANの信号が必須となります。
新型開発に当たって、バウンスでは新型ユニットを使用している元の現車を用意して、制御系統の解析を行い、パワステ化キット使用に伴うユニット稼働用に新規の追加基盤を設計、プログラミングしてソフト面の問題を解決しました。
左下の配線が出ている基盤が新規の基盤になります。
基盤から新規設計で、ポリイミド絶縁も施工しています。
元々のEPSコンピューターに一体化して、スマートに仕上げてます。
開発に伴って、車速パルスがアナログ信号の車両にも対応する様に製作しています。
本来、デジタル信号でないとEPSコンピューターが認識してくれないのですが、アナログ→デジタル変換しているので、旧車などへの施工にもバッチリ対応です。
副産物として、デジタルの車速パルス信号の取り出しが可能になりますので、最近のカーナビなどを旧車等にインストールする場合にも利用出来ます。
新型ユニットを使用した電動パワステ化キットについては、現行設定車種にも順次投入していく予定をしています。
とりあえず、手元に開発車両があるFD3S用からにはなると思いますが。
ユニットの話はこの辺にして、W114の製作のほう進めて行きます!
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